「決して仇を討ってはならない。仇は仇を生み、憎しみは絶えることがない。だから、どうか全ての人が救われる道を探し、悩める多くの人々を救ってほしい」
法然聖人の父、漆間時国(うるまのときくに)の言葉と伝わっています。
この数日、世界の話題はコロナ、異常気象、そしてアフガニスタンの情勢です。
バイデン大統領は、「軍事力ではアフガンの安定は実現しない」と記者会見で述べました。オバマ政権時代に最も多くのアメリカ兵をアフガンに動員していますが、その時、バイデン氏は副大統領でした。タリバンの全土掌握は、テロに対する報復戦争というアメリカの方針が破綻したということでしょう。
撤収する米軍機にしがみついて振り落とされ、亡くなる市民の姿。胸が痛みます。かつて恐怖によって国を支配したタリバンがまた、人権をじゅうりんするのではないかと不安が広がっています。
国の再建には大きな困難が予想されます。
漆間時国の「仇は仇を生み、憎しみは絶えることがない」「どうか全ての人が救われる道を」との願いが私の頭の中をこの数日、駆け巡っています。
アフガンの人々を決して見捨てず、国際社会が一致協力しなければならないと強く思います。