27日、インドでは1日あたりの感染者数が36万人にものぼり、死者数は3200人に達したとインド保健当局は発表しました。朝のBS NHK1「ワールドニュース」を見ると、現地インドはもちろん、アジア、ヨーロッパのニュースが大きく報じていることがわかります。
私も日々、胸の痛む思いでニュースを見ています。昨日のニュースでは、酸素ボンベが病院で用意できず、市場価格の10倍もの価格で売られていたボンベを病院に持ち込んだ現地の方の姿をみました。病院に連れて行っても診てもらうこともできないまま息を引き取る人が相次いでいるようです。火葬が間に合わず(インドでは焼却時間が6時間かかるそうです)、駐車場に臨時の火葬場が作られています。ヨーロッパの放送局が、ドローンを使って壁に囲まれた火葬場を上から撮影していました。その外はビルが立ち、車が走る日常です。壁の内側では、もしかしたら救えたかもしれないいのちが大量に失われ、焼却されている非日常なのです。
WHOのペドロス事務局長は「心がつぶれる以上の思いだ」「悲痛の域をこえる」とのべ、現地に医療物資やスタッフを送ったことを記者会見で述べていました。
戦乱や疫病でたくさんのいのちが失われた室町の時代にいきた蓮如は、「朝(あした)には紅顔ありて、夕には白骨となれる身なり」と無常をときました。いまは医学も発達し、不意に亡くなるということはそうそう当たり前の世の中ではなくなってきています。世界の英知を結集して、インドの方たちが直面している痛ましい事態を、何としても打開して欲しいと願わずにはいられません。
日本でも感染拡大はなかなかおさまりません。その中での夏のオリンピック開催です。
昨日、日本の国会では、政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂会長が、「五輪・パラリンピックの議論をしっかりする時期で、避けては通れない」と答弁しています。
他方、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会は日本看護協会に看護師約500人の動員を要請したことが明るみとなり、ツイッター上では「#看護師の五輪派遣は困ります」をつけての抗議の声が広がっています。
世界のどこかで感染が広がれば、それが巡り巡ってしまうのです。世界から数万人の人を、そして国内から観客を集めるオリンピックが、その契機になってしまっては大変です。
日本が今、決断しなければならないことは何なのでしょうか。
五輪の精神に照らしても、いまの状況で行うのは矛盾していると思います。あちこちから東京に集める医療関係者にも感染リスクを与えることになります。
こんな川柳がありました。
[オリパラを 中止にすれば 打つ手増え]
コロナ検査やワクチン接種など、対策の遅れも、五輪決行ということに縛られて、ひどい思考停止をきたし、馬脚が乱れているようにしか見えません。
決行されたとしても、私は中継をみないことにします
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