『武漢日記』を読む

岩井は昨日の夜から雪模様です。

朝の積雪は数センチほどです

1週間ほど前に購入した『武漢日記』をきょうは読むことにしましょう。

この本は中国武漢市在住の作家・方方(Fang Fang)さんが新型コロナウイルスの最初の発生地、武漢から発信した60日間の記録です。都市封鎖の2日後、1月25日にはじまり、3月24日が最後の日です。

2月下旬の日記を読んでいるところです。吹雪に耳を傾けつつ24日分を読んでいると、こんな記述が目に飛び込んできました。

「私は言っておきたい。ある国の文明度を測る基準は、どれほど高いビルがあるか、どれほど速い車があるかではない。どれほど強力な武器があるか、どれほど勇ましい軍隊があるかでもない。どれほど科学技術が発達しているか、どれほど芸術が素晴らしいかでもない。ましてや、どれほど豪華な会議を開き、どれほど絢爛たる花火をあげるかでもなければ、どれほど多くの人が世界各地を豪遊して爆買いするかでもない。ある国の文明度を測る唯一の基準は、弱者に対して国がどういう態度を取るかだ」(140頁)

いま国会が開かれています。私たちの国の政府は、コロナ禍で苦しんでいる人たちにどんな態度でのぞんでいるのでしょうか。

日記には、人々が病に倒れなくなっていく悲しみが、困難の中、支え合い生きる市民への敬意が綴られています。そして真実を隠し、歪める権力者とそれに同調する者たちへの批判が記されています。

武漢で何が起こったのかを克明に記憶した方方さんの『武漢日記』。最後まで心して読みたいと思います。

投稿者: 西法寺

西法寺のHPを管理している釈大朗です。よろしくお願いします。

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