お釈迦様は35歳で成道されたと伝えられます。成道とはさとりを開いて仏となることです。
さとりとは、つながりの中で生かされている自分に気がつくこと、であると私は理解しています。「なーんだ、そんな簡単なこと」かもしれませんが、それがなかなかできません。お釈迦様はさとりをひらいたあと、そのまま入滅しようとされました。そのまま死のうとされたということです。なぜならば、「言っても伝わらない」からです。それを思いとどまり、説法を始められたのでした。
ことばで伝えることはむずかしい。けれどもそれしかないのです。
コロナ禍において、総理の語る中身が国民に伝わっているとは言い難い状況です。「答弁は差し控える」「あなたに答える必要はありません」一番議論を尽くさなければならない場で、議論を拒否してきたことと決して無関係とは思えません。
緊急事態宣言をどう実効あるものにするか。新聞を読んでいたら、「利他心」が必要だと指摘する専門家のコメントを目にしました。「『他人にうつさないため』という思いやりの心をどう訴えるかが大切」
お釈迦様なら、いまの菅さんにどんな説法をされるのでしょうか。