昨日は100歳近い女性の方の葬儀をつとめました。また一人、大正生まれの方がお亡くなりになったのです。
私自身は元号へのこだわりはとくにありません。それでも、ブログにも何回か書いてきた通り、大正生まれの方のご苦労を決して忘れてはならないと思っています。
西法寺のご門徒で、戦地に赴き、いのちを失った方の大半は大正生まれです。大正に生まれた日本男性の約7人に1人は戦死しています。
戦後も苦労された方がほとんどでしょう。
昨日、葬儀を勤めさせていただいた女性の方は、昭和24年に海の事故で夫を失われたそうです。なんの補償もなく、幼いお子さんを祖父母に預け働きに出られたとのこと。「母から愚痴を聞いたことは一度もありませんでした」と息子さんはおっしゃっていました。
お住まいのところから数キロ離れた墓地に歩いてお墓参りに向かわれる姿をみることもあったと親類の方から伺いました。若き日に別れた夫に声をかけていたのだろうか、どんな思いを抱えて生きてこられたのでしょうか。詳しくお話をうかがったことはありませんでしたが、「ほんとうに長い間、ご苦労様でした」と声をかけてからお経を読みました。
合掌
