町内で50年以上、魚の行商をされていた方がお亡くなりになりました。一つのことを半世紀にもわたってつづけることは並大抵のことではなかったろうと思います。
いま、私たちの日常を支える仕事がいかに大切かという気付きが、社会に広がっているのではないでしょうか。誰かのために一生懸命働くこと以上に、貴いことってあるのでしょうか。
配送トラックに乗るご門徒さんをときどき路上で見かけるのですが、自然と頭が下がります。
あきんどさんのような行商もそうだと思います。家まで届けてくれるという行為は、もちろん生活のためではありますが、誰かのために他なりません。
親鸞聖人は、りょうし、あき人(商人)などが下類と蔑まれていた時代に、阿弥陀仏はこれらの人をおさめとって、必ず救ってくださるのだ、いしやかわらやつぶてのようなわれらがこがねになるのだとおっしゃいました。
私は、阿弥陀仏の救いをこのようによろこばれた親鸞聖人の差別なき心に深く学ばされています。
本日お通夜、明日が葬儀です。マスク越しではありますが、大きな声でお勤めさせていただきます。