
人間が世間の隅で苦労して生きてゆく姿はあの国宝の仏像より尊い
仏教詩人・榎本栄一さんの詩を3月のお寺の掲示板に掲げました。榎本さんは、熱心な念仏者であった方です。
2月は法事、そしてご葬儀も多くありました。故人の苦労話をご家族からうかがう機会もありました。
天台宗を開いた最澄のことばに、「一隅(いちぐう)を照らす。これ則ち国宝なり」とあります。私も大変好きなことばです。一隅を照らす人たちの生き様にふれることができるのは、僧侶のいいところかもしれません。
榎本さんは最澄のことばから発想を得たのでしょうか。日々の生活と重ね合わせ、その思いを一層深くされたのかもしれません。3月は、榎本さんの詩をかみしめつつ、つとめていきたいと思います。
