動物担当の坊守です。
キンモクセイとギンモクセイが、それぞれ小さな花をつけはじめ、甘い空気が漂っています。いい匂い好きなので、帰宅してからも家の中に入るのが惜しく、しばらく庭にしゃがんで雑草を眺めていました。
すると、この夏勝手に生えてきたナゾの幼木に、アゲハチョウの幼虫がスズナリではないですか!
「幼虫のなる木か?!」とありえないことを一瞬考えました。

アゲハたちは、柑橘類か山椒系の葉について育っていきます。
東京のマンションのベランダに置いてあった小さな小さな山椒の植木にも1匹、アゲハの幼虫が棲みついたことがありました。
ごまんとある植物の中から、チョウがどうやって、適切な木を選ぶのか、不思議でした。
その話を、理科の教員だった妹にしたところ、
「アゲハチョウの幼虫が食べられる種類の木かどうかを、お母さんが卵を産む前に、足先で葉の味を確かめて調べる。同時ににおいや見た目でも確認してるらしい」
というのです。
味覚はハチやアリでは触覚にあるが、チョウやガやハエでは脚先の「ふ節」にあり、アゲハチョウは脚でちょっと叩く感じで葉にキズをつけてから、味を確認するそうです。
手で味わう?はあ、なんて不思議なこと。
いや、人間の常識は、ホントにせまいものなのだと考えた方がいいのでしょうね。

近いうちに、彼らは食糧難に直面するはずなので、柚子の木にうつしてやるか、柚子の枝を挿した瓶でも近くに置いて、サナギになるまで応援したいと思います。