今月99歳の誕生日を迎えられるご門徒さんのところに先日、お祝いをかねていってきました。「ありがたい、もったいない」ということばが自然とこぼれ、「仏さんのおかげで長生きさせてもらった。なまんだぶ、なまんだぶ」と念仏を称えていらっしゃいました。
そのおばあちゃんが結婚した当時、ご近所に熱心なご門徒さん(Yさん)がおられたそうです。「お寺のことを教えてもらって」と若かった頃のことを思い出して話されました。それはおばあちゃんにとって忘れることのできない記憶になっているのでしょう。
きょうの法事にこられていた方のなかに、Yさんの義理の娘さんがおられたので、そのことをお伝えするとよろこんでおられました。そして「義母の姿を私も追いかけているんです」と。
道ありと信ず 、得道の人ありと信ず。
涅槃経というお経にある一文です。
道とは仏道、得道の人とは実際にその道に沿って生きている人のことです。そういう人がいるからこそ信じられる、という意味になります。
この方たちにはみんな得道の人がいらっしゃったということでしょう。
人に出遇い、そして教えに出遇ってゆかれたみなさんの体験談は実に味わいがあります。私などはフラフラとしておりますが、この方たちがいらっしゃるからこそ、この道は確かな道であると信じることができる、そう私も学ばせていただいているところです。