新坊守のお父さんお母さんが法要に参詣してくださいました。
法要が終わった日曜の夜、お父さんの亡きお母さんの生前のエピソードを聞かせてもらいました。
「とにかく困った人がいると放っておけない」
「誰に対しても分け隔てがない」
裕福ではなかった暮らしのなかで、貧しい人、困っている人がいれば当たり前のように助ける、そんな方だったそうです。
そして、そのことを一切、鼻にかけないでやってしまう。
「あんなに慈悲深い方に出会えたことに、いまでも感謝している」とお母さんはおっしゃっていました。
なかでも、お父さんの友人が、精神的に不安定になった時、お母さんが1年半に渡って身の回りの世話をしたという話には、本当に驚かされました。
以前にも少し書きましたが、「恩」という言葉には「私のためにしてくださったことを覚えておく」という意味があります。
そしてその受けた「恩」は到底、受けた人に返せるものではない。
だから、覚えておいて、次の世代の人たちに「報」らせていくことが大切。
「恩」と「報」は仏教にとっても大切な精神です。
亡きお母さんの思い出話を聞きながら、受けた「恩」は、坊守のお父さん、お母さんの生き方にもつよく影響を与えたのだなあと感じた次第です。
本当にありがたいお話でした。